NATURE.TAMAGARO.NET

ハグロハバチ
Allantus luctifer


幼虫の食草は、スイバ、ギシギシ、イタドリ。多化性で年4〜5世代、5〜11月に出現する。最大体長は20mmほど。穴のあいたスイバやギシギシをチェックすると、この幼虫が良く見つかる。今回の飼育は7月中旬から始めたが、幼虫の期間は9日ほど、蛹の期間も9日ほどであった。

若齢・中齢幼虫

若齢幼虫は、黒い点が無く、頭が黒っぽい。齢数は不明だが、図4あたりの大きさになると、黒い点が現れる。

終齢幼虫

終齢幼虫になる前、半日以上動かずにじっとしている。その後、少し動き回わり、脱皮を行って終齢幼虫になる。そのまま、ふたたび半日以上動かずにじっとしている。終齢幼虫は、大きさが少し小さくなり、背中の色が濃くなる。顔の色も脱皮直後は黄色いが、だんだんと濃くなる。

蛹化

少し前に飼育したサクラセグロハバチと良く似ていたため、試しに枯れ木の上に置いてみたら、枯れ木に潜った。その後、別の個体を土の上に置いてみたら、土にも潜った。うーん、どっちでも良いみたいだ。サクラセグロハバチの方も土に潜るのかもしれないなぁ。

以下は枯れ木に潜った方。枯れ木は、爪で削れるぐらいに柔らかいもの。そんなに大きくなくて良い。先住民がいるかもしれないので、なにかしらの工夫をした方が良いかもしれない。

以下は土に潜った方。土はいったん水でこねて、押し固めた後、数日間乾かしたものを使った。これも量はそんなに必要ない感じだったが、夏場だったからかもしれない。

羽化後、発掘してみた。木に潜った方は、よくわからなかった。下は土に潜った方。図16は、この中にあった物体で、終齢幼虫の脱皮殻と思う。大きさは、とても小さくて2mm×3mmほど。下に写っているのは普通の爪楊枝の先。

成虫

図17は、最初に羽化した方で、標本になっていただいた。今回2回目で、ヘタなのは目をつぶっていただきたい。Allantus属の大顎は左右で形が異なっており、これが検索キーになっているので、まじめに同定する場合は大顎を開かないといけない。これが大変。

図18と図19も飼育個体で、葉っぱの上に置くと身繕いを始めるので、そのとき撮影した。♀は第3・4腹背板両端の後縁が狭く白色(図19の矢印)。

天敵?

寄生蜂じゃないかと思うが…。

実物大画像

実物大
x1 <24.3mm>
実物大
x1 <22.9mm>

履歴

2009-8-7
  • 飼育個体が羽化したので、全面的に書き換えた。

(余白)