Japanese Whitefly Gallery

コナジラミとは?

コナジラミはカメムシ目コナジラミ科の昆虫たちです。 カメムシ目の中でもアブラムシカイガラムシキジラミに近い仲間です。 シラミとついていますが、シラミとは目が違います。 成虫は1mm程度と小さくて白っぽく、 肉眼では下の写真のように見えると思います。


コナジラミの成虫

白っぽいのはワックス(ロウ物質)をまとっているからです。 羽化した直後はロウ物質を付けていませんが、 腹部の分泌線から出たロウを自分で体全体に付けるそうです。 白い色からコナジラミは英語ではWhiteflyと呼ばれます。

幼虫は小さくて おおむね平べったい丸〜楕円形をしており、 知らない方にはとても虫には見えないと思います。 特徴的な形のワックスを出す種類がいて、 識別の手がかりになることがあります。


老齢幼虫

体の縁からワックスを出している ツツジコナジラミモドキの幼虫

は葉っぱに産みつけられます。 大きさは、0.2mmくらいです。 卵から孵化した1齢幼虫は自由に動けます。 気に入った場所に移動したら、固着生活を送るようになります。 固着したまま脱皮し2齢から4齢(終齢)まで成長します。 2齢以降はが退化していて動けません。 終齢幼虫の大きさは種類やオスかメスにもよりますが、 おおむね0.6-1.5mmぐらいです。 終齢幼虫は脱皮するとその殻の中でになります。 脱皮殻は脱がないので4齢幼虫と蛹を区別する事はできません。 4齢幼虫の殻を蛹殻(ようかく)と呼ぶらしいのですが、 4齢かどうかは簡単にはわからないので、 この写真集ではあまりこだわらずに蛹殻という用語を使う事にします。


成虫と卵

寄主(ホスト)は植物の葉です。 幼虫も成虫も植物の葉っぱに 針のような口針(こうしん)を差し込んで吸汁します。 アブラムシと同様に余分な糖分を排泄するため、 しばしばすす病を発生させるらしいですが、 私はそのような状況は見た事がありません。 ホストが単一である種類もいますが、 いろいろな植物に付く多食性の種類もいます。 冬と夏とで寄主を変える寄主転換を行うものもいます。 多化性で1年間に複数回発生します。

捕食性の天敵に捕まっているのは見た事が無いので少ないのかもしれません。 寄生蜂にはしばしばやられているようです。


寄生蜂にやられたヤマモモコナジラミの幼虫。 黒っぽいのは寄生蜂の蛹。 オレンジ色なのは糞でしょうか?

イシガキコナジラミの幼虫から脱出する寄生蜂

文献[2]によれば、日本で見つかっているコナジラミの数は、 73種+α となっています。 小さいので十分研究されていないかもしれませんので、 まだまだ新種が見つかるかもしれません。

(C) Hepota