Japanese Whitefly Gallery

Bemisia shinanoensis (Kuwana, 1922)
シナノコナジラミ

いろいろ調べていくと、 とても難しそうだというということがわかりました。 もう少しサンプルを採集して検討してみたいと思いますが、 無理そうな気がします。

学名はAsterobemisiaになってましたがBemisiaに修正しました。 現在AsterobemisiaはBemisiaのシノニムという説が有力なようです。 Gill2012を良く読んでおらず(今もよくわかってませんが)、 変わったのかと思ってしまいました。 すみません。

とりあえず以下の記事はそのままにしておきますが、 情報が集まったら再検討したいと思います。


多食性で、 山梨県北杜市ではいろいろな樹種で普通に見られます。 落葉樹の葉っぱに付き、冬に落ち葉で見られるので、蛹越冬のようです。 夏の個体はまだ見ていません。

秋に見られる個体は白い色をしていますが(Fig.2)、 越冬中は黄色くなり暗色班が出ることが多いです(Fig.3)。 葉裏にも葉表にもつきます。 tracheal combが広く、生態ではこの部分にワックスを出します(Fig.1b)。 脱皮縫合線は閉曲線をなしています(Fig.4b 判別しづらいですが)。 腹部背面に突起を持ちます(Fig.4b)。 第7腹節の中央がとても短いです(Fig.4b)。

tracheal foldは(はっきりしませんが)出口付近で広がっています(Fig. 5a, 5c)。 腹節の横にそって棘を持ちます(Fig. 5d)。 caudal setaeはとても小さくめだちません(Fig.6b)。

※あまり研究されていないと思った方が良さそうです。
日本で記録されている近似種として、 クズコナジラミ、ハンノキコナジラミ、タバココナジラミ等がいます クズコナジラミとは、 caudal furrow(尾端溝)がほとんど無い、 tracheal combが広いことで区別できるようです。 ハンノキコナジラミとは、 外周部が暗色になっていない、 vasiform orificeが細長いことで区別できるようです。 タバココナジラミBemisia属の種類とは、 脱皮縫合線が閉曲線をなしていることで区別できます。

Images

Fig. 1a overwintering puparia. Japan 山梨県北杜市(旭山砦). date: 2012年1月31日. host: Quercus serrata コナラ. 越冬中の個体。黄色い。
Fig. 1b tracheal combが広く、そこから出るワックスも広い。

Fig. 2 Japan 山梨県北杜市(泉ビオトープ). date: 21-X-2012. host: Fabaceae gen. sp. マメ科の一種. 秋の個体。白い。
Fig. 3 overwintering puparia. Japan 山梨県北杜市(オオムラサキ自然公園). alt: 600m. date: 29-I-2013. host: Pueraria lobata クズ. 越冬中の個体。暗色班が出ている。 この形態はクズコナジラミと良く似ているが、 暗色班の形が異なっている。

Fig. 4a body. Japan 山梨県北杜市(大深沢川遊歩道). alt: 740m. date: 7-III-2013. host: Pueraria lobata クズ. subdorsal areaに、小さな鱗状の模様が多数ある。

Fig. 4b (1) 脱皮縫合線は閉曲線を描く。見にくいですが…。 (2) 第7腹節の中央が短い(Bemisia等いくつかの属…)。 (3) 腹節の横に突起がある (4) tracheal combが、著しく広い。

Fig. 4c vasiform orificeは細長い三角形。 operculumの大きさはvasiform orificeの半分以下。 lingulaも細長い。 caudal furrowはほとんど無い。 caudal tracheal combの幅が広い。 caudal setaeは、あるのかないのかわからない(Fig 6b参照)。

Fig. 5a caudal tracheal fold & comb. caudal trackeal foldは、わかりづらいが、 出口で外側に広がっている。

Fig. 5b thoracic tracheal foldは出口で外側に広がっている。 tracheal combは広い。

Fig. 6a dorsal setae. 並び方はdanzig1966やgill2012にあるA. takahashiiのものに近い。

Fig. 6b caudal setae. たぶん。とても小さい。

Fig. 6c posterior marginal seta.

Fig. 7a 蛹殻、いろいろ。

Fig. 7b vasiform orificeいろいろ。

Scientific synonyms

Distribution

Host plants

この情報は宮武1980から持ってきましたが、 これはほんの一部だと思います。 まだよく調べていません。

Asteraceae キク科 Pertya scandens コウヤボウキ
Berberidaceae メギ科 Berberis thunbergii メギ
Ericaceae ツツジ科 Rhododendron sp. ツツジ属の一種
Fabaceae マメ科 Desmodium podocarpum ヌスビトハギ、ヤブハギ
Pueraria lobata クズ
Lauraceae クスノキ科 Lindera umbellata クロモジ
Moraceae クワ科 Morus alba マグワ
Rosaceae バラ科 Rubus palmatus モミジイチゴ
Rosa sp. バラの一種
Ulmaceae ニレ科 Aphananthe aspera ムクノキ
Verbenaceae クマツヅラ科 Callicarpa japonica ムラサキシキブ

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沢山いそう…

Bibliography

(C) Hepota