微妙に違うのが混ざっているような気がします。 変異なのかどうかもう少し詳しく調べた方が良さそうです。
tukikさんが発見されたAleuroclava sp.は、 別種のような気がするので、ページを分けておきました。
Fig. 1 蛹殻. loc: Japan 東京都府中市(府中の森公園) map. alt: 50m. date: 10-IV-2011. host: Aucuba japonica アオキ. |
Fig. 2 背面の隆起した部分にワックスがのった個体。 上部にツナガリマユゲ模様(?)がある。 ただしA. nachiensisにも同じような隆起があるようなので要注意。 loc: Japan 東京都府中市(大国魂神社) map. alt: 50m. date: 30-IV-2011. host: Citrus sp. カンキツ類. |
近似種にナチグロコナジラミがおり、 イラストをみると非常に良く似ています。 わかりやすそうな識別点として、 腹面の突起が無いことがあげられていますが、 takahashi1952には、アオキコナジラミにも 第5、6腹節の横に突起があると書かれています。
A. aucubae — takahashi1952 pp. 18-19 —
A tubercle present laterad of the 5th and 6th abdominal tergites each, which tubercle is rounded, low and with many wavy linear markings.
一方ナチグロコナジラミの方は、胸節および第1-7腹節に1対の突起があると書かれています。
A. nachiensis — takahashi1963 p. 51 —
each thoracic and abdominal segment excepting 8th segment with a pair of blunt tubercles which are with irregular sculptures
アオキコナジラミの突起というのは、 Fig.3bの矢印で示したものだろうと思います。 でも第4、7腹節の横にも突起がありますね…。
Fig. 3a 標本画像. loc: Japan 山梨県北杜市(オオムラサキ自然公園) map. alt: 620m. date: 7-I-2013. host: Ligustrum sp. ネズミモチ類. |
Fig. 3b tubercles? |
Fig. 3c thoracic margin. |
やはり本物を見ないとよくわかりませんね。 ただ アオキコナジラミは極めて普通[takahashi1952]であり、 ナチグロコナジラミは和歌山県の那智山でしか記録が無いので、 おそらく大丈夫だと思いますが…。
他にはヒサカキコナジラミにも似ていますが、 お尻の形が尖っていることや、 ツナガリマユゲ模様があることで区別できると思います。
アオキコナジラミは広食性で 冬はアオキやネズミモチ等の常緑樹で見られ 夏はウメやケヤキ等の落葉樹で見られます。 東京都ではとてもよく見ました。
loc: Japan 東京都府中市(府中の森公園). alt: 50m. date: 12-IV-2011. host: Ligustrum sp. ネズミモチ類. |
羽化殻. loc: Japan 東京都府中市(多磨霊園). date: 2-V-2011. |
loc: Japan 東京都小金井市(武蔵野公園). date: 22-VI-2011. host: Zelkova serrata ケヤキ. |
loc: Japan 東京都府中市(平和の森公園). date: 28-VI-2011. host: Prunus mume ウメ. |
羽化. loc: Japan 東京都府中市(多磨霊園). date: 5-V-2011. |
左と同一個体。 羽化直後は翅が透き通っている。 ワックスの粉は後から自分で塗り付ける。 |
いろいろな国に進出していそうな気配…。
中国はネットにある情報を見ると間違い無さそうです。 「珊瑚瘤粉虱」で検索するといろいろ見つかります。 ちなみにアオキの中国名は『珊瑚木』。
Aquifoliaceae モチノキ科 | Ilex crenata イヌツゲ |
Araliaceae ウコギ科 | Hedera rhombea キヅタ [tak1952 as Hedera japonica] |
Caprifoliaceae スイカズラ科 | Lonicera gracilipes ウグイスカグラ [tak1952] |
Lonicera japonica スイカズラ | |
Cornaceae ミズキ科 | Aucuba japonica アオキ [kuw1911] |
Flacourtiaceae イイギリ科 | Xylosma congestum クスドイゲ |
Juglandaceae クルミ科 | Juglans mandshurica var. sachalinensis オニグルミ [tak1952 as Juglans sieboldiana] |
Lauraceae クスノキ科 | Neolitsea sericea シロダモ [tak1952 as Litsea glauca] |
Moraceae クワ科 | Ficus erecta イヌビワ [安松1941は誤同定][tak1952] |
Morus alba マグワ [tak1952] | |
Oleaceae モクセイ科 | Ligustrum japonicum ネズミモチ |
Osmanthus fragrans キンモクセイ | |
Pittosporaceae トベラ科 | Pittosporum tobira トベラ [tak1952] |
Rosaceae バラ科 | Chaenomeles sp. ボケ属 |
Crataegus sp. サンザシ属 | |
Kerria japonica ヤマブキ [tak1952] | |
Neillia uekii スグリウツギ [tak1952] | |
Prunus mume ウメ | |
Pyracantha angustifolia タチバナモドキ(ピラカンサ) | |
Rhaphiolepis indica シャリンバイ [tak1952 as Rhaphiolepis umbellata] | |
Rubiaceae アカネ科 | Paederia scandens ヘクソカズラ |
Rutaceae ミカン科 | Citrus natsudaidai ナツミカン |
Citrus reticulata ポンカン | |
Citrus sp. カンキツ類 [tak1952] | |
Poncirus trifoliata カラタチ | |
Phellodendron amurense var. lavallei ミヤマキハダ [tak1952 as Phellodendron lavallei] | |
Xanthoxylum piperitum サンショウ [tak1952] | |
Theaceae ツバキ科 | Eurya japonica ヒサカキ |
Ulmaceae ニレ科 | Aphananthe aspera ムクノキ [tak1952] |
Celtis sinensis エノキ [tak1952] | |
Ulmus campestris ハルニレ [tak1952] | |
Ulmus sp. ニレの一種 | |
Zelkova serrata ケヤキ |
日本で記録のある種では以下の2種が似ている。