HOMETG-5

ここではTG-5で新しく追加されたマニュアルフォーカス機能について 調べたことをまとめました。 これから買おうかと検討されている方や 使い方がよくわからないという方が参考にしていただけると幸いです。

ページの最後に問題点と要望をまとめておきました。 私の評価はかなり悪いですが、これからの改善を期待したいと思います。


目次


1. 操作方法

マニュアルフォーカスが使える撮影モードは、 Aモード、Pモード、近接モード(顕微鏡、深度合成など)、動画モードです (動画撮影中はフォーカスの変更はできない)。 シーンモードの多くのサブモードでは使えません。

インターバル撮影でもマニュアルフォーカスは使えませんでした。 撮影のたびにオートフォーカスによるピント合わせが行われるようです。 (2017年7月1日追記)

1.1 MFモードに切り替える

下図は電源を入れたときに表示される画面(撮影画面)です。 現在のフォーカスモードがマニュアルの場合は、 [1]のところに"MF"と表示されます。 オートフォーカスの場合は何も表示されません。

撮影画面

撮影画面

AFからMFに切り替えるにはまずOKボタンを押してください。 そうするとライブコントロール画面に移動します。 右側にメニューが出てきますので、 十字キーを操作しAFのところをMFに変更してOKボタンを押してください。

ライブコントロール画面

ライブコントロール画面

するとMF画面に移動しますので、 そこでピント操作を行うことができます。

1.2 MF画面での操作

ピント操作を行うための画面です。 取扱説明書にはこの画面が載っていなかったので、 ここでは勝手に「MF画面」と呼ぶことにします。 [1]と[2]の表示が撮影画面と異なっていますね。

MF画面

MF画面

MF画面での操作方法

↑[3] フォーカスを奥に

↓[4] フォーカスを手前に

これらのボタンは押しっぱなしで連続的に変わります。 他にコントロールダイアル[6]でもフォーカスを変更できますが かなり回しにくいです。 その他のボタン操作は撮影画面と同じです。

MF画面ではできない操作

コントロールダイアルと↑↓ボタンがフォーカス操作に使われるため 以下の操作はできません。 いったん撮影画面に戻る必要があります。

  • 露出補正
  • 絞り
  • 連写、セルフタイマー

1.3 撮影画面とMF画面の切り替え

撮影画面からMF画面

現在AFモードの場合は1.1で述べた方法で移動できます。 すでにMFモードの場合は以下の操作でMF画面に移動できます。

  • OKボタンの長押し(1.5秒ぐらい)
  • ライブコントロールに入って戻る OKボタン2回押しで行って戻れますが 少し間隔をあける必要があります(0.5秒ぐらい?)。

OK2回押しがストレス少ないです。

MF画面から撮影画面

  • OKボタンを長押しする(1.5秒ぐらい)
  • 再生ボタンもしくはメニューボタンを押して戻る。 2回押しで行って戻れますが少し間隔をあける必要があります(0.5秒ぐらい?)。

メニューか再生ボタン2回押しがストレス少ないです。

2. MF関連の設定

2.1 LVブースト

LVブーストはTG-5から追加された機能のようです。 LVブーストがOFFの場合、ライブビュー画面は 露出補正の結果を反映させたものになります。 つまりライブビュー画面に表示されているものが そのまま撮影結果になると思って良いでしょう。 ただしフラッシュの効果までは反映されません。 フラッシュを使う場合は見づらくなることが多いので LVブーストはONにしておくと良いです。

2.2 MFアシスト

拡大表示

MF時に拡大表示することができます。 ↑↓ボタンを操作した後3秒間程度拡大表示されます。 拡大表示する部分はINFOキーと十字キーを操作して変更できます。

MF拡大

MF拡大

手持ち撮影では使わないかな。

ピーキング

ピントの合った位置を強調表示する機能みたいですが、 使えそうな気がしません。

ピーキング色

3. その他

3.1 LED補助光

TGシリーズにはフラッシュバルブの横にLEDが仕込まれていて、 これを光らせることができます。 INFOボタンを長押し(3秒ぐらい)することでLEDが点灯、 もう一度INFOボタンを長押しすると消灯します。 点灯時間はボタン操作を行わなければ30秒、 ボタン操作を行っている場合最長90秒です。 かなり操作性が悪いので、 マニュアルフォーカスのために使うことは考慮されていないのかもしれません。

なお明るい場所だと光量が足りなくてほとんど効果はありませんでした。 そのような場合はピント合わせが困難になるので、ピントをずらしながら 大量に撮るしかなさそうです。

3.2 フォーカス可能範囲

マニュアルフォーカスとは関係ありませんが、 フォーカス可能な範囲を調べました。 数値はかなり大雑把です。

※ 距離は 値はFD-1の縁からです。

W端 T端
遠景モード 約6cm ~ ∞ 約7cm ~ ∞
近接モード 0 ~ 約40cm 0 ~ 約60cm

3.2.1 遠景モード(A/Pモード)

最短撮影距離は仕様では10cmとなっていますが、 実測すると6〜7cm程度でした。 製品によってバラツキがあるかもしれません。 最短撮影距離での撮影範囲を以下に示します。 横幅W端で110mm、T端で29mmぐらいでしょうか。

最短撮影 W端 最短撮影 T端

3.2.2 近接モード(顕微鏡、フォーカスブラケットなど)

TG-5の最短撮影距離はレンズ前1cmとされていますが 構造的に光を回すことが不可能です。 生物顕微鏡みたいに透過光では使えると思いますが、 通常の虫撮りには使えません。 FD-1の縁が事実上の最短撮影距離かと思います。

最短撮影距離

最短撮影距離

このときのW端とT端での撮影範囲です。 横29mmぐらいと7.5mmぐらいでしょうか。

最短撮影 W端 最短撮影 T端

3.3 操作時間

フォーカス移動操作に掛かる時間を調べました。 電源を入れた状態から↓あるいは↑押しっぱなしにして 所定のフォーカス位置になるまでの時間です。

遠景モード(A/Pなど)

W端 T端
電源ON →最短 約3秒 約5秒
電源ON →最長 約1秒 約1秒

近接モード(顕微鏡/フォーカスブラケットなど)

最短はFD-1の縁です。

W端 T端
電源ON →最短 約3秒 約9秒
電源ON →最長 約3秒 約6秒

かなり遅いのでオートフォーカスと併用したほうが良いかもしれません。

3.4 フォーカス位置の保存性

電源を入れ直したときなど フォーカス位置は保存されるのでしょうか?

起動時

電源を入れたとき、決まった位置にリセットされます。

遠景モード 約1m
近接モード 3cm

カスタムモード

カスタムモードではフォーカス位置は登録されません。 起動時と同じくリセットされます。

モードを変更したとき

遠景モード(A/Pなど)と近接モード(顕微鏡/フォーカスブラケット)を 切り替えるとリセットされます。 ただしモードダイアルを普通に回しているくらいでは保存されます。 たとえば、 C1に顕微鏡モードを登録してあり C1から通常の顕微鏡モードに切り替えるとき、 間にAモードとかがありますが一定時間止めなければ大丈夫です。

AFからMFに変更すると

AF時の状態が保存されます。 これを利用すると若干操作性は改善されると思います。

4. 要望

オリンパスに要望しようと思っているのですが、 多くの人が要望した方が聞いてくれそうなので同志を募集しています。 よろしくお願いします。

(1) プリセットフォーカスがほしいほしいほしいほしい

手持ちで高倍率マクロ撮影を行う場合の話ですが、 カメラ側でフォーカシングしても 被写体との距離が変われば意味がありません。 手持ちだから簡単に変わります。 だからカメラと被写体の間の距離を変えてピントを合わせるる方が 現実的で早いのです。 その場合は先に撮影倍率を固定することになりますが、 ピント操作は連続的でなくても良く、 むしろ撮影倍率を規格化しておく方が 露出やフラッシュの基本設定が覚えやすく、 後でスケールバーを入れたりする作業が楽になります。 というわけでぜひともお願いしたいです。

(2) MF時のLED補助光の操作を簡単にしてほしい

LED補助光は現在INFOボタンの長押しで使うことができるのですが とても使いにくいです。 おそらくMF時の補助光としては考えられていないのだろうと思います。 例えばINFOボタンでONにしたら撮影可能な状態では常時点灯といった オプションを追加していただけないでしょうか?

(3) インジケータを表示してほしい

ボタンを押すタイミングによっては フォーカス操作が動作しないことがあって、 使い始めたときには「あれ?」と思うことが頻繁にありました。 例えばMFモードにしてすぐに↑↓を押した場合に動作しません。 ほんの少しですが時間をあける必要があるみたいです (これも直してほしいのですが)。 動作していることがわかるように表示をしたほうが良いのではないでしょうか? 表示方法としては音を出してもよいのですが、 インジケータが出るといろいろ情報が得られるので良いかと思います。

(4) フォーカス位置を保存してほしい。

電源ONにしたときOFF時の状態を保存して欲しいです。 設定は決まっているのだけどチャンスを待まっている場合、 チャンスが来たら電源を入れてすぐに撮影できるとか。 ズームとかも同様に保存してほしいですね。

カスタムモードでも保存してくれたほうがうれしいです。

(5) シャッターボタン半押しでもLVブーストを有効にしてほしい

OM-D EM-5 Mark IIを所有しておりますが、 シャッターボタン半押しでもLVブーストが効きます。 同じようにして欲しいです。

(6) 拡大表示(MFアシスト)

カメラと被写体の間の距離を変えてピントを操作する場合では ON/OFF動作の方が良いです。

(7) ボタンの反応が遅くて使いにくい

例えば撮影画面からMF画面に移動する場合、 OKボタン2回押しでも可能なのですが、 少し時間をあけないとダメでかなりイライラします。

履歴

  • 2017年6月30日 作成
  • 2017年7月1日 インターバル撮影ではマニュアルフォーカスが使えないことを追記

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